【医師監修】今月注目の美容成分5選──エビデンスで選ぶ本当に効くスキンケア

今月はナイアシンアミド・トラネキサム酸・セラミド・レチノール・ヒアルロン酸の5成分にフォーカスし、どんな肌悩みに効くのか・選び方のポイントをわかりやすく解説します。

1. ナイアシンアミド(ビタミンB3

The Ordinary Niacinamide 10% + Zinc 1% Serum 30ml
こんな悩みに効果的

シワ・くすみ・テカリ・毛穴の開き・肌のごわつき

ナイアシンアミドは「マルチプレイヤー」と呼びたくなる万能選手。一つの成分でシワ改善・美白・皮脂コントロールを同時に叶えてくれます。インスタグラマーやエディターに人気の秘密は、この多機能性にあるんです!

どう効くの?

  • 乾燥小じわ: コラーゲン生成を促進し、肌にハリを与える
  • くすみ・シミ: メラニンの移動をブロックして色ムラを改善
  • テカリ・毛穴: 過剰な皮脂分泌を抑えてベタつきを軽減
  • 敏感肌: バリア機能を強化して外部刺激から肌を守る

使い方のポイント

敏感肌さんでも比較的使いやすいのが嬉しいポイント。ただし、初めて使う場合は少量から始めましょう。5%程度の濃度の製品が使いやすく、初めは週3回から始めて徐々に毎日使いに移行するのがおすすめです。肌に慣れてきたら、朝晩どちらでも使えます。

少し良いお値段でも、5%以上の濃度が明記されている製品を選ぶと効果を実感しやすいですよ。保湿クリームとセットで使うと、さらに乾燥小じわ対策が強化されます!

2. トラネキサム酸10%

OMIC Tranexamic Acid Serum for Face
こんな悩みに効果的

肝斑・頑固なシミ・ニキビ跡の色素沈着・肌の赤み

トラネキサム酸は元々、病院で使われていた医療成分。頬にできる「肝斑(かんぱん)」と呼ばれる厄介なシミに効く数少ない成分として、美容皮膚科では長年の実績があります。普通のシミケアではダメだった方にこそ試してほしい成分です。

どう効くの?

  • 肝斑: シミの元になる「プラスミン」の働きを抑えて肌の色を均一に
  • 炎症後の赤み: 炎症を鎮める作用でニキビ跡の色素沈着を予防
  • くすみ: メラニン生成を抑えて肌トーンをアップ
  • 敏感肌: 刺激を抑える効果で赤みを軽減

使い方のポイント

「シミに効く!」というと過剰な期待をしがちですが、肌のターンオーバー(約28日)に合わせて、最低でも1〜2ヶ月は続けることが大切。効果は徐々に現れます。

化粧品では2%前後の濃度が一般的。頑固な肝斑には皮膚科で処方してもらえる内服薬も効果的ですが、血栓症のリスクがあるため自己判断は厳禁です。日焼け止めと併用するとさらに効果アップ!紫外線対策も必ず行いましょう。

3. セラミド

Anua Rice 7 + Ceramide
こんな悩みに効果的

乾燥肌・敏感肌・かさつき・バリア機能低下・ちりめんジワ

セラミドは肌の奥から生まれる天然の保湿成分で、肌細胞同士を「セメント」のようにつなぎとめる役割があります。このセラミドが減ると、肌の水分が逃げやすくなり、外からの刺激にも弱くなってしまうんです。乾燥肌・敏感肌さんの救世主的な成分です!

どう効くの?

  • 乾燥肌: 水分蒸発を防ぎ、長時間うるおいをキープ
  • 敏感肌: バリア機能を高めて、刺激や雑菌の侵入を防ぐ
  • カサカサ肌: 肌のごわつきを改善し、なめらかな肌触りに
  • 乾燥小じわ: 水分保持力アップで乾燥による小じわを目立たなくする

使い方のポイント

セラミドは種類がたくさんありますが、「ヒト型セラミド」と表記された製品がおすすめ。肌なじみが良く効果を実感しやすいです。特に「セラミドNP・AP・EOP」などの表記があるものを選びましょう。

水分だけでなく油分も大切なので、化粧水よりも乳液やクリームでセラミドを補給するのが効果的。特に冬場や乾燥が気になる時期は、セラミド入りの厚めのクリームで肌を包み込むように使いましょう。洗顔後すぐに使うのがポイントです!

4. レチノール(ビタミンA誘導体)

VI Derm Retinoic Serum with 0.1% Tretinoin
こんな悩みに効果的

小じわ・たるみ・毛穴の開き・ニキビ・くすみ・ごわつき

レチノールはエイジングケアの王様。世界中の皮膚科医が認める効果で、2017年には厚生労働省もシワ改善効果を認めました。「30代からのエイジングケアに何を使えばいい?」と聞かれたら、まず最初に挙げるべき成分です。

どう効くの?

  • シワ・たるみ: コラーゲン生成を促進し、肌にハリと弾力を与える
  • 毛穴: 肌のターンオーバーを促進し、詰まりや開きを改善
  • ニキビ: 毛穴の詰まりを解消し、皮脂分泌を正常化
  • くすみ: 古い角質を除去し、肌をワントーン明るく

使い方のポイント

効果が高い分、使い始めに「レチノール反応」と呼ばれる赤み・かゆみ・皮むけが起きることも。初心者は低濃度(0.1%以下)から週2回程度で始めて、肌の様子を見ながら徐々に頻度を増やしましょう。

レチノールは紫外線で分解されるため、夜のスキンケアで使うのがベスト。翌朝は必ずSPF30以上の日焼け止めを塗ることを忘れずに!妊娠中・授乳中は使用NGなので注意してください。保湿成分と一緒に配合された製品を選ぶと肌への負担が少なくて◎。

5. ヒアルロン酸

Beauty Formulas Moisture Serum 1% Hyaluronic Acid
こんな悩みに効果的

乾燥・パサつき・ハリ不足・小じわ・メイクのノリの悪さ

ヒアルロン酸はうるおいチャンピオン!たった1gで6Lもの水分を抱え込める超優秀な保湿成分です。実はもともと私たちの肌にある成分ですが、年齢とともに減少していくので、スキンケアで補ってあげる必要があるんです。

どう効くの?

  • 乾燥肌: 大量の水分を抱え込み、肌の水分量をアップ
  • 小じわ: 水分補給でプルプル肌に導き、乾燥ジワを目立たなくする
  • ハリ不足: 水分保持力で肌にふっくらとしたハリを与える
  • メイク崩れ: うるおい持続で一日中メイクのノリをキープ

使い方のポイント

ヒアルロン酸には分子の大きさが違うものがあります。「低分子ヒアルロン酸」や「ナノヒアルロン酸」は肌の奥まで浸透しやすく、「高分子ヒアルロン酸」は肌表面でうるおいベールを作ります。両方配合された製品を選ぶとバランス良く保湿できますよ。

ヒアルロン酸は水を引き寄せる性質があるので、洗顔後の湿った肌に使うのがベスト。化粧水→ヒアルロン酸美容液→保湿クリームの順で使うと、うるおいを閉じ込められます。特に乾燥が気になる部分には重ね塗りもおすすめです!

よくある質問

これらの成分を併用しても大丈夫?

ナイアシンアミド、セラミド、ヒアルロン酸は相性抜群で一緒に使えます。レチノールは刺激が強いので、始めのうちは単独で使うのがおすすめ。慣れてきたら他の成分と組み合わせましょう。ビタミンCはレチノールと一緒に使うと効果が弱まるので、朝と夜で分けるのがベストです。

どの順番で塗ればいい?

基本は「さらっとした液体→とろみのあるもの→クリーム状のもの」の順です。例えば、化粧水(ヒアルロン酸)→美容液(ナイアシンアミド/トラネキサム酸)→乳液・クリーム(セラミド)→夜のみレチノールという流れがおすすめです。各ステップの間は30秒ほど待つと、成分が肌に馴染みやすくなります。

敏感肌でもレチノールは使える?

敏感肌の方も低濃度(0.1%以下)から始めれば使える可能性は高いです。セラミド配合の保湿クリームで肌を整えてから使うと刺激が抑えられます。週1回夜だけの使用から始めて、徐々に回数を増やしていきましょう。肌に合わない場合はすぐに使用を中止し、皮膚科で相談してください。

効果はどのくらいで実感できる?

成分によって違いますが、目安は以下の通り:
・ヒアルロン酸:即効性あり(つけた瞬間からうるおう)
・セラミド:1〜2週間(肌のごわつきや乾燥が改善)
・ナイアシンアミド:2〜4週間(テカリ軽減、肌のトーンアップ)
・トラネキサム酸:1〜2ヶ月(シミ・くすみの改善)
・レチノール:1〜3ヶ月(ハリ・キメの改善、3ヶ月以降でシワ改善)
どの成分も毎日の継続使用が効果のカギです!

まとめ:あなたの肌悩みに合わせて選ぼう!

5つの注目成分、どれも素晴らしい効果を持っていますが、あなたの肌悩みに合わせて選ぶのがポイントです。

乾燥・バリア機能低下が気になる方: セラミド+ヒアルロン酸
シミ・くすみが気になる方: トラネキサム酸+ナイアシンアミド
シワ・たるみが気になる方: レチノール+ヒアルロン酸
毛穴・テカリが気になる方: ナイアシンアミド+レチノール
ニキビ・肌荒れが気になる方: ナイアシンアミド+セラミド

始めは1〜2種類から取り入れて、肌の様子を見ながら徐々に増やしていくのがおすすめです。全部を一度に始めるのではなく、まずは自分の一番の悩みに効く成分から始めましょう。効果を実感するには最低でも4週間、理想的には3ヶ月の継続使用が大切です!

参考文献

  1. Flora et al. Niacinamide improves fine lines and wrinkles: A double‑blind clinical study. Dermatol Res Pract. 2021.
  2. 日本皮膚科学会. 肝斑診療ガイドライン2023.
  3. Goldstein et al. Ceramide NP enhances skin barrier function in atopic dermatitis. J Dermatol Sci. 2022.
  4. Mukherjee, S., et al. Retinoids in the treatment of skin aging: an overview of clinical efficacy and safety. Clin Interv Aging. 2006.
  5. Papakonstantinou E, et al. Hyaluronic acid: A key molecule in skin aging. Dermatoendocrinol. 2012.
  6. Lee, J. H., et al. Tranexamic acid in the treatment of melasma: A systematic review and meta-analysis. J Am Acad Dermatol. 2022.

著者について

医師

順天堂大学医学部を卒業後、千葉県内の病院にて豊富な臨床経験を積んでいる。
筋トレや美容に強い関心を持ち、医師としてのキャリアを築く傍ら、個人としても情報発信を行っている。医療と美容の両面から、多くの方々の美と健康をサポートしていくことを目指す。