【医師監修】大人気の韓国美容液「BDショット」| 再生医療由来成分が導く皮膚科学的美肌は本当なのか?

はじめに:BDショットとは?

“BDショット100 モイスチャーセラム”は、韓国のQzMEDICA社が“美容医療の成分と最先端技術”に着目して開発したニードル美容液です。合成遺伝子組換オリゴペプチド-91(ボツリヌス菌由来成分)や、天然美容針マイクロニードル、19種類の保湿成分を贅沢に配合し、ゆるみ・ハリ・シワ※・乾燥ケアをこれ1本で完了させる設計が特徴です。

主成分と美容効果

「BDショット100 モイスチャーセラム」を構成する成分を配合量の多い順に並べ、各成分の皮膚への作用機序と、医学的に証明された効果を示します。※成分リストはQoo10の商品情報を参照しました​ なお、水分が最も多いので省略します。

ブチレングリコール (Butylene Glycol, BG)

  • 機序:角質層に水分を引き寄せるヒューメクタント。皮膚の保湿を高め、バリア機能をサポート。
  • エビデンス:15分後・2時間後・8時間後いずれも皮膚水分量の有意増加(p<0.05)、経皮的水分蒸散量(TEWL)を最大15–20%低減させた​。1

グリセリン (Glycerin)

  • 機序:優れたヒューメクタントで、角質層内の水分を保持し、滑らかな肌触りを実現。
  • エビデンス:5%グリセリンを含む処方で、BG単独よりも皮膚水分量がさらに高くなり、TEWL低減効果が強化された。

ナイアシンアミド (Niacinamide, Vitamin B₃)

  • 機序:NADP前駆体として角質細胞のエネルギー代謝を活性化。セラミド・グルコシルセラミド・スフィンゴミエリンの生合成を促進し(SPT活性↑)、バリア機能を強化。
  • 効果・定量:1–30 μMで6日間処理によりセラミド合成率が4.1–5.5倍に増加(対照比)。2%局所塗布で4週後に皮脂分泌が約15%減少、TEWLが20%低減したとの報告もあります​。2

DPG (Dipropylene Glycol)

  • 機序:BG同様のヒューメクタント。さらに他成分の皮膚浸透性を高める。
  • エビデンス:1,3-プロパンジオール(DPG)単独またはBG・グリセリンとの組合せで15 分~8 時間後の皮膚水分量増加とTEWL低減を示した​。

合成遺伝子組換オリゴペプチド‑91(Clostridium Botulinum Polypeptide‑1)

  • 機序:大腸菌発現の遺伝子組換ペプチド。皮膚コンディショニング剤として保湿・柔軟化を付与。リポソーム化により140–150 nmのナノカプセル化で経表皮浸透を促進。
  • エビデンス:化粧品添加物データベースで皮膚コンディショニング剤として記載​。3

ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド(Syn‑Ake)

  • 機序:蛇毒Waglerin‑1模倣ペプチド。筋肉のアセチルコリン受容体を拮抗し、表情筋の収縮を抑制、シワの形成を緩和。
  • 効果・定量:4%製剤を28日間使用で、被験者の80%にスムース化効果、73%に15–20%のシワ減少を確認​。4

加水分解カイメン(Hydrolyzed Spicule)

  • 機序:微細なコラーゲンニードル(スピキュール)として皮膚表面に微小孔を形成し、有効成分の経皮浸透を促進。
  • エビデンス:微小針療法(Microneedling)で皮膚のⅠ・Ⅲ型コラーゲンが400%増(6か月後)、表皮厚増加を報告​。5

加水分解コラーゲン (Hydrolyzed Collagen)

  • 機序:低分子化コラーゲンペプチドが線維芽細胞を刺激し、真皮でのコラーゲン産生を誘導。
  • エビデンス:動物モデルで経口摂取により線維芽細胞密度↑、真皮コラーゲン線維増加を示唆する報告あり​。6

アセチルヘキサペプチド‑8 (Argireline, Acetyl Hexapeptide‑8)

効果・定量:30日間継続使用で最大30%のシワ深度低減を報告​。

機序:SNARE複合体形成を阻害し、神経伝達物質放出を抑制、表情シワを緩和。7

それぞれの美容成分の効果と比較

上記の美容成分の効果が一目瞭然となるチャートを制作したので、各自気になる成分を選択して(複数選択可)それぞれの美容効果を確認してみましょう。自分の気になる効果のある美容成分を探すこともできるので、この際、自身の使っている美容液を確認してみたり、今後買う際の参考にしてみて下さい。

BDショット vs 他の美容液 ―即効性と強力なエビデンス

主要成分の比較

今回のターゲットである「BDショット」と一般的な美容液を3種類A〜C用意し、それぞれの美容成分とその美容効果を比較し、わかりやすいようにグラフにしてみました。

BDショット:

  • ペプチド複合体(シンーケア、コパーペプチドなど)
  • ヒアルロン酸
  • ナイアシンアミド
  • アデノシン
  • 各種植物エキス

類似美容液A(一般的な高級ペプチド美容液):

  • 各種ペプチド
  • セラミド
  • グルタチオン
  • ビタミンC誘導体
  • コラーゲン

類似美容液B(ヒアルロン酸系美容液):

  • 複数分子量のヒアルロン酸
  • ペプチド(少量)
  • グリセリン
  • セリン
  • スクワラン

類似美容液C(ビタミン系美容液):

  • 高濃度ナイアシンアミド
  • ビタミンC誘導体
  • アルブチン
  • α-アルブチン
  • パンテノール
BDショット 類似美容液A 類似美容液B 類似美容液C 保湿効果 シワ改善 美白効果 肌弾力向上 毛穴ケア 医学的に期待できる主な効果 BDショット: ・ペプチドによるコラーゲン生成促進(シワ改善) ・ヒアルロン酸による高い保湿効果 ・ナイアシンアミドによる肌のバリア機能強化 類似美容液A: ・多種ペプチドによる総合的なエイジングケア ・セラミドによる肌バリア修復 ・グルタチオンによる抗酸化作用 類似美容液B: ・複数分子量ヒアルロン酸による多層的保湿 ・水分保持による長時間の肌弾力維持 ・保湿による肌のキメ改善 類似美容液C: ・高濃度ナイアシンアミドによる美白作用 ・ビタミンC誘導体による明るい肌トーン ・α-アルブチンによるメラニン生成抑制 ※配合量は製品により異なり、個人差があります。医学的効果は研究に基づく予測です。

上記から分かるように、BDショットは保湿効果とシワ改善に優れ、ペプチドがコラーゲン生成を促進しシワの改善、ヒアルロン酸が高い保湿効果と肌の弾力性向上を発揮します。他の類似美容液と比較すると、特に肌のバリア機能強化に効果的で、総合的なスキンケア効果が期待できます。医学的研究に基づく成分配合で、肌質改善をサポートしています。

コストパフォーマンス分析

以下はBDショットと高級エイジングケア美容液の価格比較です。

BDショットは25mlで7,980円(公式販売11,000円もあり)

ランコム ジェニフィックは30mlで17,820円
20代の美容液予算は“2,000円台”、30代は“1,000円未満”が最多との調査もあり、BDショットはコスパ重視派にも嬉しい価格帯です。

まとめ:BDショットは効果があるのか?

BDショットは、ボツリヌス菌由来成分やマイクロニードル技術といった“美容医療由来のエビデンス”を背景に、ハリ・シワ・乾燥ケアを同時に叶えるオールインワン設計が魅力です。一方で、製品単独の大規模臨床試験データは公開されておらず、実感には個人差がある点にはご注意を。

おすすめポイント

  • 1本でハリUP・保湿・抗シワケアが完了
  • 美容医療由来の成分+マイクロニードル技術で浸透力◎
  • 平均的な美容液予算内で導入可能

20〜30代の美意識高めなあなたには、デイリーに取り入れやすい“ギャップ肌ケア”としてぜひ試してほしい一品です!
※本記事は公式情報および公表データをもとに執筆しています。効果には個人差がありますので、使用前にパッチテストをおすすめします。

引用文献(論文含む)

1.Pinto JR, Monteiro E Silva SA, Leonardi GR et al. Combined effects of 1,3‑propanediol, butylene glycol and glycerol on skin barrier function and skin hydration. Int J Cosmet Sci. 2021;43(4):349–357. DOI:10.1111/ics.12911.

2.Tanno O, Ota Y, Kitamura N, Katsube T, Inoue S. Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier. Br J Dermatol. 2000;143(3):524–531. DOI:10.1046/j.1365‑2133.2000.03705.x

3.製造元(QzMEDICA)の化粧品添加物データベースに「皮膚コンディショニング剤」として記載

4.DSM社発行のテクニカルブローシャーに「4%製剤28日間使用で最大52%のシワ減少、80%にスムース化効果」との臨床試験データあり

5.Levêque JL, Fabbrocini G, Sundaram H et al. Advances in cosmetic surgery: Microneedling histologic outcomes. Adv Cosmetic Surg. 2019;4:123–132.

6.外用では分子量が大きく角質層到達は困難とされ、臨床試験は主に経口摂取で報告されています(Proksch E et al. Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(3):113–119 など)。外用エビデンスは未確認。

7.Blanes-Mira C, Clemente J, Casanovas J, Montoya MC, Lazo PS. A synthetic hexapeptide (Argireline) with anti‑wrinkle activity. Int J Cosmet Sci. 2002;24(5):299–304. PMID:11885357.

著者について

医師

順天堂大学医学部を卒業後、千葉県内の病院にて豊富な臨床経験を積んでいる。
筋トレや美容に強い関心を持ち、医師としてのキャリアを築く傍ら、個人としても情報発信を行っている。医療と美容の両面から、多くの方々の美と健康をサポートしていくことを目指す。