【2025年最新】ジュベルック徹底解説|効果・持続性・リジュランとの比較で選ぶ美肌投資

はじめに: ジュベルックとは?基本的な特徴と成分

ジュベルックは、「JUVE(若さ・生気・活力)」と「LOOK(外見・表情)」を組み合わせた造語で、韓国で開発された次世代型の注入製剤です。ジュベルックは「ポリ乳酸(PDLLA:Poly-DL-lactic acid)」と「非架橋ヒアルロン酸」という成分を含む入剤です。ポリ乳酸の粒子が真皮層のコラーゲン合成を促進し、肌をボリュームアップする効果が期待されています。

主成分の機能とメカニズム

ジュベルックの主成分である「ポリ乳酸(PDLLA)」は、線維芽細胞を刺激してコラーゲンなどの肌成分を作られやすくする持続的な効果が期待できる成分です。この成分は、トウモロコシやジャガイモ、サトウキビなどのでんぷんから抽出されたエキスを科学的に処理したもので、生体適合性に優れています。

ジュベルックの働きは、皮膚の浅い層や真皮のコラーゲン生成を促進することです。注入後、PDLLAはハリやボリュームを出し、ニキビ跡や毛穴の開き、小じわ、クマなどの肌の悩みを改善していきます。それに加え、ニキビ跡や傷跡の組織を正常に近づける効果や色素沈着に対する効果も報告されています。

科学的根拠と臨床効果

ジュベルックの効果については、いくつかの科学的研究によって支持されています。実際に以下の論文では「20~65歳の韓国人男女16人を対象に、PDLLAと非架橋ヒアルロン酸の組み合わせ(≒ジュベルック)を4週間毎に2~3回注入した結果、老化兆候の改善が認められ、組織学的検査で真皮のコラーゲン線維とエラスチン線維の増加が示された」という結果が得られています。

この研究では、細かいシワ、肌のテクスチャー、不規則な色素沈着、毛細血管拡張症、顔面紅斑などの老化兆候に統計的に有意な改善が見られました。また、患者の50%が全体的な改善を50%以上実感したと報告しています。

安全性と承認状況

ジュベルックは、アメリカのFDA(食品医薬品局)や韓国のMFDS(旧KFDA)で承認されていることから、安全性にも期待できます。それぞれの機関から承認されているということは、製品が厳格な基準を満たしていることの証でもあります。

ジュベルックによる副作用は、少ない傾向にあります。ジュベルックの主成分である「ポリ乳酸(PDLLA)」を構成する粒子が丸く、周囲の細胞を刺激しづらいためです。これにより、従来のポリ乳酸製剤で問題となっていた肉芽形成やしこりなどの副作用リスクが低減されています。

ジュベルックの期待できる効果

ジュベルックは様々な肌の悩みに対して効果を発揮します。主な効果として以下が挙げられます:

1. 肌のハリと弾力の向上

肌のハリや弾力が気になる場合、肌のコラーゲン不足が原因のことも多いです。ジュベルックは真皮層のコラーゲン生成を促し、肌をボリュームアップさせる効果があると言われています。コラーゲンがハリや弾力を与え、肌の質感を改善します。

2. 毛穴の引き締め

ジュベルックは肌のボリュームアップだけでなく、肌を引き締める効果も期待できます。ポリ乳酸によるコラーゲン生成に加え、非架橋ヒアルロン酸が肌を保湿することにより毛穴が目立ちにくくなります。

3. ニキビ跡・クレーターの改善

ジュベルックはニキビ跡、クレーターによる肌の凹凸を改善する効果が期待できます。ジュベルックに含まれるポリ乳酸がコラーゲンを生成して肌のボリュームアップを促し、肌を均一にすることでなめらかな肌に導きます。

4. シワの改善

ジュベルックの注入によって真皮層でコラーゲン生成が促進されると、小じわの改善効果も期待できます。コラーゲンの増加により肌にハリが生まれ、表情ジワなどが目立ちにくくなります。

5. 肌の赤みの改善

我々の経験では、レーザー治療でも難しかった赤みに対しても効果的な症例を多数認めています。これは従来の治療法では対応が難しかった症状へのアプローチとして注目されています。

ジュベルックの効果の持続期間と施術方法

効果の持続期間

3回を1クールとして施術した後は1年以上の効果が持続します。ヒアルロン酸注入のように注入直後に効果がわかる施術とは異なり、真皮層で線維芽細胞を刺激して時間をかけてコラーゲンの生成を促します。そのため、1年程かけて分解されていくためポリ乳酸による効果の持続性を期待できます。

注入後は1~2年かけて、ゆっくりじっくり体内に吸収されるので、持続的な効果が期待できます。

施術方法の種類

ジュベルックの施術方法には主に以下の3種類があります。

  1. 医師の手打ち注射: 医師が手打ちにより、患部にジュベルックを注入します。症状や悩みにあわせて注入量も適切に調整するので、一人ひとりの症状やお悩みに合わせた施術に対応しやすいという特徴があります。1箇所のニキビ跡や傷跡から顔広範囲の注射まで、幅広く対応可能です。
  2. 水光注射: 微細な針を使って顔全体に均一に注入する方法です。広範囲にわたって均一な効果を得たい場合に適しています。
  3. ポテンツァによる注入: RF熱エネルギーによる細胞活性効果とマイクロニードルが抜けると同時に空気によって薬剤を均一に注入するドラッグデリバリーシステムにより肌に開けた無数の穴にダイレクトに注入され、より効率的にジュベルックを肌内部へ届けることができます。

推奨される施術回数と間隔

治療回数は通常3回で、1か月ごとの注入を推奨しています。1か月ごとの受診が難しい場合は、間隔は2~3か月などあいても問題ありません。治療効果は早ければ初回の施術から2か月後、3回目の施術の頃に実感できます。効果がさらに上がるのは、3〜6か月くらい経過した頃です。

ジュベルックと類似品との比較

1. リジュラン(サーモン注射)との比較

リジュランは一般的にはサーモン注射とも呼ばれ、サーモン由来のポリヌクレオチドという成分を含んだ薬剤です。リジュランに含まれているポリヌクレオチドが組織修復作用や抗炎症作用を持っているので、肌状態を整え、肌質を改善する働きが期待できます。

リジュランは肌組織の再生、ジュベルックはコラーゲン生成の促進と目的が異なります。

いずれも肌の若返りが期待できる点では同じですが、主成分や効果、持続期間などに若干違いがあります。

効果の違い:リジュランは肌組織の再生に重点を置くのに対し、ジュベルックはコラーゲン生成の促進に特化しています。そのため、リジュランは肌質改善、ジュベルックはハリや弾力の改善により効果的と言えます。

推奨される施術回数:リジュランや目周りの治療に特化したリジュランアイは2週間に1回のペースで4回の施術が最低限推奨です。4回で十分な効果が出ることもありますし、さらに回数を重ねる場合もあります。一方、ジュベルックは通常1ヶ月ごとに3回程度の施術が推奨されています。

適応症例:たとえば目周りの場合、ボリュームを出す効果はジュベルックの方が高く、くぼみやかげが気になる場合はジュベルックを推奨しています。ボリュームを出さずに小じわや目周りの質感を改善したい場合にはリジュランアイを推奨しています。

2. スカルプトラとの比較

ジュベルックは「ポリ乳酸(PDLLA)」で作られていますが、同じグループの「ポリ乳酸(PLLA:Poly-L-lactic acid)」という成分で作られた「スカルプトラ」という製剤があります。スカルプトラはジュベルックと同様に、ニキビ跡などの肌トラブルに対するアプローチや肌へボリュームを与える目的で使用される製剤です。

成分構造の違い:スカルプトラとジュベルックの大きな違いは成分の構造です。スカルプトラは粒子の構造が結晶体となっているのが特徴的です。

副作用リスクの違い:スカルプトラは肌に注入した後、結晶体の構造が原因で周囲の細胞に過度な刺激を与えてしまい、しこりなどの副作用が起こりやすいというデメリットがありました。しかしジュベルックは周囲の細胞に過度な刺激を与えにくいような丸型の粒子に作られた成分のため、これらの副作用が起こりにくくなっています。

3. ヒアルロン酸注入との比較

ヒアルロン酸注射は、ゲル状のヒアルロン酸を注入し形を形成したりシワを改善させるのに対し、ジュベルック注射は自分自身の体内で作られるコラーゲン生成を増やすことで、自然にお肌のハリ感をアップさせる肌育成治療です。

効果発現のメカニズム:ヒアルロン酸注入は物理的に成分を補充することで即時的な効果を得るのに対し、ジュベルックは自身のコラーゲン生成を促すことで徐々に効果が現れます。

効果の持続性:通常、ヒアルロン酸注入の効果は半年〜1年程度で消失しますが、ジュベルックは1〜2年と比較的長期間の効果が期待できます。

自然さ:ジュベルックは自身のコラーゲン生成を促進するため、より自然な仕上がりが期待できます。

ジュベルックの費用対効果

一般的な料金相場

ジュベルックの施術料金は、クリニックや施術方法、使用量によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです:

ジュベルック水光注射 初回全顔(3cc) 44,000円(税込) 初回限定3回セット 132,000円(税込) ※別途、麻酔代1回2,200円

ジュベルック・スキンボトックス 1回3.5cc 57,420円(税込) ※別途、麻酔代2,200円 ※上記は、機械での注入となります。

ポテンツァ(ジュベルック)1回 59,800円(税込)

費用対効果の観点からの比較

ジュベルックと類似品の費用対効果を比較する際には、以下の点を考慮する必要があります:

  1. 初期費用:初期投資としての施術費用
  2. 治療回数:必要な施術回数と頻度
  3. 効果の持続期間:効果がどれくらい持続するか
  4. 効果の実感度:得られる効果の度合い
  5. 副作用リスク:副作用の可能性とその程度

ジュベルック vs リジュラン

初期費用:ジュベルックとリジュランは施術1回あたりの費用は同程度です。

治療回数:リジュランは2週間に1回のペースで4回以上の施術が推奨されるのに対し、ジュベルックは1ヶ月に1回で3回程度の施術が基本となります。そのため、初期投資としての総額はジュベルックの方が少なくて済む場合が多いです。

効果の持続期間:ジュベルックの効果は1〜2年持続するのに対し、リジュランはやや短めの傾向があります。長期的に見るとジュベルックの方が再施術の頻度を抑えられる可能性があります。

費用対効果の総合評価:初期投資と効果の持続期間を考慮すると、長期的な視点ではジュベルックの方が費用対効果に優れている可能性があります。ただし、肌質改善を目的とする場合はリジュランの方が効果的な場合もあります。

ジュベルック vs ヒアルロン酸注入

初期費用:ヒアルロン酸注入は部位や使用量によりますが、一般的にジュベルックと同程度〜やや高めの費用がかかります。

効果の即時性:ヒアルロン酸注入は施術直後から効果を実感できますが、ジュベルックは徐々に効果が現れるため、即時性を求める場合はヒアルロン酸の方が適しています。

効果の持続期間:ヒアルロン酸の効果は半年〜1年程度であるのに対し、ジュベルックは1〜2年と長めです。長期的には、ジュベルックの方が再施術の頻度を抑えられます。

費用対効果の総合評価:効果の持続期間を考慮すると、長期的には自然な美しさを求める方や、ハリや弾力の改善を目的とする方にはジュベルックの方が費用対効果に優れている可能性があります。一方、輪郭修正や即時のボリュームアップを目的とする場合は、ヒアルロン酸注入の方が適しています。

まとめ:ジュベルックの導入を検討すべき方

ジュベルックは、以下のような方に特に適した施術と言えるでしょう:

  1. 肌のハリや弾力の改善を求める方
  2. 毛穴の開きが気になる方
  3. ニキビ跡やクレーターの改善を希望する方
  4. 小じわの改善を目指す方
  5. 自然な仕上がりを重視する方
  6. 長期的な効果を求める方
  7. 副作用リスクを最小限に抑えたい方

一方で、以下のような方には他の施術を検討した方が良い場合もあります:

  1. 即時的な効果を求める方(→ヒアルロン酸注入がおすすめ)
  2. 肌質の改善を主な目的とする方(→リジュランがおすすめ)
  3. 輪郭修正や大幅なボリュームアップを希望する方(→ヒアルロン酸注入がおすすめ)

最終的な選択は、個人の肌状態や悩み、予算、期待する効果などによって異なります。適切な施術を選ぶためには、信頼できる医療機関での詳細なカウンセリングを受けることをおすすめします。

参考文献(医学論文等)

  1. Seo SB, Park H, Jo JY, Ryu HJ. “Skin rejuvenation effect of the combined PDLLA and non cross-linked hyaluronic acid: A preliminary study.” Journal of Cosmetic Dermatology. 2024. DOI: 10.1111/jocd.16085
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著者について

医師

順天堂大学医学部を卒業後、千葉県内の病院にて豊富な臨床経験を積んでいる。フランス・パリにて研修した際に人々の美に対する熱量に感銘し、筋トレと美容に強い関心を持ち、医師としてのキャリアを築く傍ら、個人としても情報発信を行っている。医療と美容、フィットネスの三側面から、日本人の美と健康をサポートしていくことを目指す。